2016年5月5日木曜日

フクロツルタケ

 以前から、フクロツルタケの写真は何枚かあったものの
条線のないものがフクロツルタケなのだ・・・条線があるものがシロウロコツルタケなのだ・・・とか、そんなことを耳にしてから、撮った写真がフクロツルタケなのかシロウロコツルタケなのか分からなかった。
下は過去に撮った写真




 たまたまアクイロウロコツルタケを調べていてフクロツルタケには2種あるようだ・・・とか 、そんな情報もあったりして元々の記載はどうなっているのだ?と日本菌類誌を見てみた。

フクロツルタケ Amanita volvata (Peck) Lloyd
『 子実体は弧生或は散生; 傘は2-8㎝,半球形,のち扁平となり,往々僅か圧低さる; 表面は乾燥,表面は純白色或は帯黄色,稀に中央或は全部赤褐色となり,周辺は平坦或は僅か線条があり,白色或は赤褐色の粉末或は綿絮状麟片を有し,時に大形の壺の残片を附す; 肉は柔らかく,白色或は淡クリーム色,傷時淡紅色となる,密,広幅; 茎は6-14×0.5-1㎝,同幅或は上方に漸細,基部膨大,白色,微細なる白色,褐色或は帯紅色の綿絮状麟片或は破片を存す,充塞或は中実,鍔なく、壺は通常大形,嚢状,緊緻,膜質,白色或は淡褐色,上端多少裂片となる,永存性; 胞子は長楕円形,平滑,無色,糊性,8-12×5-8μ; 胞子紋は白色; 有毒と称せらる。』

シロウロコツルタケ Amanita clarisquamosa (S. Imai) S. Imai
『 子実体は弧生或は散生; 傘は径4-6㎝、半球形~丸山形、表面は乾燥,純白色,帯黄色,淡肉桂色或は汚濃桃色,絹糸状繊維ありて中央部平坦,周辺白色にて僅かに細線条あり、桃色或は赤褐色の繊維麟片を被むる; 肉は帯白色或は帯桃色,肉質,味及臭なし; 褶は離生,白色,密,広幅,後方円く前方広し,茎は6-10×0.8-1.2㎝,上方に僅か漸細,帯白色或は帯褐色,壺より上部は粉末綿絮状麟片或は尨毛に被われ,麟片は淡紅色或は赤桃色、充塞或は中実,壺は膜質,大形,4.5×2.5㎝に及ぶ,緊緻或は柔軟,茎の基部を包み,約3/4は茎より遊離し先端は裂片となる,帯褐色或は帯白色,永存性; 胞子は楕円状円壔形或いは類円筒形,平滑,無色,糊性,10-15×5-6μ,胞子紋は白色,食毒不詳。』 

アクイロウロコツルタケ Amanita avellaneosquamosa (S. Imai) S. Imai
『 子実体は弧生或は散生; 傘は5-10㎝、丸山形~扁平,遂に中央窪む; 表面は乾燥,淡汚桃色~菫灰色にて容易に剥離する麟片に被わる,麟片は中央に於いて密に融合す,縁辺に線条あり; 肉は白色,厚く,肉質,味及臭なし; 褶は離生または隔生,白色,のち黄色を帯び,中位に密,前方広幅にてやや便腹状,稜は少しく波状; 茎は9-11×0.6-2㎝,同幅或は上方に漸細し,麟片を有し,傘色と殆ど同色或は淡色,幾分粉末綿絮状,充塞或は中空,壺は膜質,大形,茎の基部を包み,上方約2/3は茎より遊離し,5×4㎝に及ぶ,帯白色或は鈍桃色,永存性; 胞子は楕円形,平滑,無色,糊性,9-10.5×5-6μ; 胞子紋は白色; 食毒不詳。』

条線(記載では線条)はいずれにもあるではないか
鵜呑みにしていた私がもちろん悪いのだけど、でもぉ~って感じ

それと
日本のきのこ(山渓)増補改訂版を見ると「シロウロコツルタケ(フクロツルタケ)」となっていて
シロウロコツルタケ=フクロツルタケという意味に取れる。
日本菌類誌の記述では胞子の形態が若干違うように思うのだけど
DNA解析などでそのように判断されたのだろうか?

下のサイト

http://yaplog.jp/macblog2/archive/76/2
では次のようなことが書かれている。
『 「日本のきのこ」増補改訂新版では和名が「シロウロコツルタケ(フクロツルタケ)」と表記されており、これ以前多くの人からシロウロコツルタケに改名されたと誤解されるようになってしまった。実際のところシロウロコツルタケは別種として存在する。』

う~~~む(- -;

A. volvataとA.clarisquamosaはMycoBankでもIndexfungorumでも
それぞれに正式学名として登録されている。
互いにシノニムではないし、それぞれの種として「ある」と判断して良いのではないかな~ 
そんなわけで
シロウロコツルタケ≠フクロツルタケと考えることにした。

が、だからと言って上の写真が何であるのかは分からない。今年は胞子観察が一つの課題かな。

3 件のコメント:

  1. こんにちは。いつもこちらで勉強させていただいてます。

    私はこのフクロツルタケ(広義)をたびたび採取していました。
    ネット検索や教えていただいたことですが、旧フクロツルタケはシロウロコツルタケとアクイロウロコツルタケの2種に分類されることのようです。
    正確には胞子を確認するそうですが、両者では傘の鱗片に違いがあるそうですが、画像を見ただけでは私にはよく分かりませんでした。
    生意気にも書き込んでみました。すでにご存じのことでしたらご容赦のほどを。

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  2. konpasさん、コメントありがとうございます。

    >旧フクロツルタケはシロウロコツルタケとアクイロウロコツルタケの2種に分類されることのようです。

    反論になってしまいますが
    2種に分類されたという報告はありますか?
    例えば誰によって、そのように判断されたかです。
    私には「日本のきのこ」に掲載されたがための誤解ではないのかという気がしてなりません。
    ならば、世界的に標準とされているMycoBankで、
    なぜフクロツルタケの学名のきのこが存在しているのか…です。

    シロウロコツルタケとアクイロウロコツルタケは今井三子先生の報告によるもので、本文に掲載しましたが両者の明瞭な違いは麟片よりも傘の地色なのだと判断しています。もちろん胞子サイズもありますが。おそらくですが、アクイロウロコツルタケは北海道産から今井三子先生が報告されて以来、採集例の無いきのこではないかと思っています。

    一体何が正しいのかは、今のところ私にもわかりませんが
    「DNA解析の結果、または詳細な顕微鏡観察の結果、これまでフクロツルタケとされていたものはシロウロコツルタケであった」とも考えられます。
    もう少しハッキリするまで私はフクロツルタケ、シロウロコツルタケ、アクイロウロコツルタケの3種が存在していると考えています。

    いつかおしゃべりボードで論議出来たら良いですね。

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  3. 生半可な知識で書き込んでしまい反省しています。
    随分複雑なというか専門家の中でもいろいろ意見があるんですね。
    勉強になることばかりです。

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