2018年4月20日金曜日

Mycena sp

 昨年、科博に送付した標本の中に、サクライロタケ(Mycena rosea)によく似たきのこがあった。今になって調べておけば良かったと少し後悔している。

 2017年 8月15日撮影
最初、このきのこを見つけた時、「綺麗なサクライロタケ、みっけ」と思った。数本ひっくり返しヒダを見ると、違和感を感じた。

ヒダが密なのだ。 
ヒダの高さも違っている(写真では分かり難いかもしれない)。
乾燥していたわけではないのに、 傘の条線も不明瞭。
  写真を見直していて、標本送付の際にもMycena spとしたけれど、やはりサクライロタケとは別種だよな…と思う。今年も発生してくれるだろうか。今年も同時期にもう一度発生場所に行ってみようと思う。

追記 
 城川四郎著「検証 キノコ新図鑑」p62にミツヒダサクラタケ(仮称)で掲載されている種と同種と思われる。

2018年4月17日火曜日

シロヒナノチャワンタケ

 北海道はこの時期、トガリアミガサタケとかアシボソアミガサタケがやっと顔を出し始めた頃。きのこには期待せず、所用で野幌森林公園に出かけて来た。少し歩くと落葉に埋もれた太さ3~4㎝の落ち枝(腐朽木)に、何やらプチプチと白いものが付いてるのが見えた。多分シロヒナノチャワンタケ属のきのこだろう。落ち枝を手に取り見たけれど、肉眼では外托被の毛は全く見えない。そういえば、このきのこの写真持っていなかった。…もしかしたら、実体顕微鏡で撮れるかな?…そんなことを思いその枝の一部を持ち帰った。
まぁ…そこそこに撮れたかな…

このきのこに、初めて出会ったのは、もう15・6年前くらい。 ルーペで覗くと、外皮托の毛に水滴をいっぱいつけ、こんなに小さいのに、なんて綺麗なきのこなんだろうと思った。けれど、この仲間は似たようなのがいくつもあり、同定するのは難しいと聞いていた。
 絵合わせだけなら、シロヒナノチャワンタケで良いのだろう。
でも、似ている種 ってどんなのがあるんだろう・・・。
Lachnum clavigerum
Lachnum ciliare フトゲヒナノチャワンタケ(植物の葉に発生するみたい)
Lachnum impudicum
Lachnum apalum ハリミノヒナノチャワンタケ
Lachnum pudibundum
Lachnum fasciculare
Lachnum niveum(=Dasyscyphella nivea)
Lachnum nudipes  シロヒナノチャワンタケモドキ
たぶん、まだまだあるのだろう。
検鏡図が載っているサイトがあったけれど
どこがどう違うのかさっぱり分からない。
そのうち、線画を描いてみようと思う。いつか分かる時が来るかもしれない。

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追記



2018年4月9日月曜日

イタチタケという和名


 実はMycoBankで、Agaricus spadiceusをサーチしていてHokkaidoという文字が目に入った。今井三子先生が1938年に報告したHypholoma stipatumという種がタカネイタチタケのシノニムとされていた。

 現在、Hypholomaはクリタケ属の属名であるが、日本菌類誌を見ると、かつてはHypholomaはヒトヨタケ科に属するイタチタケ亜属だったようだ。
 そして、北海道帝国大学農学部紀要43巻P280を見ると、Hypholoma stipatumの記載があり、そこにJap. nameとして、Itachi-take(KAWAMURA)と出ていた。

 川村図鑑にすでに使われていた和名を、今井三子先生はなぜHypholoma stipatumに当てたのだろうか、と首を傾げた。

 川村図鑑を見ると、川村博士は、Hypholoma appendiculatumにイタチタケという和名を当ている。
そして、 Hypholoma candolleanumにイタチタケモドキ、
(現在イタチタケの学名は、Psathyrella candolleana (Fr.) Maire

どういうことだろう・・・

下は川村図鑑のイタチタケ




憶測ではあるけれど
川村博士の記述と図から、「川村の言わんとしている種は H.appendiculatumじゃなく、これだよ」と報告(今井)したのが、H. stipatumだったのではないだろうか。その後、「いやいや、H. stipatumも別物で、川村が言わんとしていたのは、イタチタケモドキH. candolleanumのことだったんだよ」、そんなこんなで川村博士の言わんとするイタチタケにH. candolleanumという学名が当てられた…。そう考えると何となく辻褄が合っている気がする。
  普通、H.appendiculatumという種にイタチタケという和名が最初に当てたなら、H. candolleanumはイタチタケモドキとされるところ、川村博士がイタチタケとした種の学名の掛け違えの訂正があった…(のではないだろうか)。

 では、川村博士が最初にイタチタケとした種の学名は、どんな種なのだろう。
H. appendiculatumは、現在、Psathyrella piluliformis (Bull.) P.D. Ortonとなっている。

これは、実はムササビタケ。
そして、H. stipatumの現在の学名はPsathyrella spadicea (Schaeff.) Sing.。
タカネイタチタケだった。
 Agaricus spadiceusをサーチしていて、
平凡なイタチタケにも、ムササビタケの学名が当てられたり、タカネイタチタケの学名が当てられたり、ちょっとした過去の物語があったのかな?と思った。
 

2018年4月7日土曜日

Homophron

 Psathyrella (ナヨタケ)属をネット検索していて、何気にHomophronという属名が目に入った。どう見てもPsathyrellaじゃないの?と思って、Homophronの属名のきのこを見ていると、どうもシスチジアに結晶を持つ種らしい。シスチジアに結晶のある種といえば、すぐさまタカネイタチタケを思い出した。2年前に偶然タカネイタチタケを採取する機会があり、きのこメモに掲載していた。
下は 2016年9月14日に掲載の写真。


  タカネイタチタケの学名は、Psathyrella spadicea 。
MycoBankで、その学名を調べてみると、
Homophron spadiceum (P. Kumm.) Örstadius & E. Larss.

やはり、Homophronに変わっていた。かつて亜属に使われていた名前らしく、詳しくは分からないが、Homophronが属として格上げ(2015)になったのだと思われる。
 Homophronに幾つの種が属し、どの種が基準種なのか情報が得られず分からないが、もしかしたらタカネイタチタケ属なんてこともあり得るかも…。

追記(/8訂正)
 シスチジアが厚膜で結晶を付着するものが、この属の特徴かもしれないと思ったが
ヒカゲイタチタケも厚膜で結晶を付着している。しかし、こちらは、Psathyrella olympiana A.H. Smで学名に変動がない。Homophron、その属の特徴が何であるのか、今のところ分からない。
 Homophron属に含まれる種は下記の3種4種らしい。

Homophron camptopodum, Homophron cernuum, Homophron spadiceum(タカネイタチタケ)、Homophron particularis基準種はいずれなのか分からないけれど、タカネイタチタケのみ国内既知種なので、属和名はタカネイタチタケ属ということになるんだろうな…。MycoBankをよく見ると、HomophronのType nameはAgaricus spadiceus(=Homophron spadiceum)、タカネイタチタケ属で良いのだろうと思われる。
  (Kさん、メールでお知らせくださり、ありがとうございます
メモ
http://www.amfb.eu/Myco/Psathyrelles/Pages/Homophron-sarcocephala.html
しばしば H.sarcocephalaの学名が出てくるが
この学名は、MycoBankおよびIndexFungorumでも登録されていない。

http://www.vielepilze.de/selten/newgen/homophron/cernua/sumcernua.html

2018年4月4日水曜日

ベニウスタケ似のHygrocybe?

2012年撮影

当時パッと見、Hygrocybeだろう、Hygrocybeにこんなヒダを持つ種があるのかな?と思っていた。その後、ベニウスタケCantharellus cinnabarinusの可能性もあると思い始めたが、ヒダの垂生は短く、傘はロート状と言えず、柄の質感はHygrocybe、やはりHygrocybeなのかと、いまだに判断できずにいる。

2018年4月2日月曜日

ニシキイグチ?

下の写真は2005年に撮っていたもの

若干の青変性があったように思うのだけど、もう、だいぶ前のことで、どんな特徴だったのか記憶も曖昧。最近になり、ニシキイグチではないかな…と思いながら、絶対そうとも言えず歯がゆい。
 これは樽前ガローで観察会があった時のもので、その時に上の写真の他、ドクヤマドリや ビロードコウジタケなど興味を引くきのこが見られた。もう一度行ってみたいと思いながら、現地はかなり奥に入り込んだところで、熊の出没場所。一人ではとても怖くて行けそうにない…。怖くない場所で、もう一度出会えると良いのだけど…。
 

2018年4月1日日曜日

Ramaria

 Ramaria(ホウキタケ属)はサッパリ分からない。分からないんだけど気になってチョコチョコ写真を撮ったりしている。過去の写真を眺めていて、「これ、どうも似ているような気がする」と2枚の写真をトリミングしてみた。
2010年8月撮影
 2010年9月撮影
似ていると思ったのは、青森県産きのこ図鑑に掲載されているカメノテホウキタケ(Ramaria cf. eumorpha)。
先端はぼんやりであるが青味を帯びている。絵合わせで確証はないけれど、たぶん、カメノテホウキタケだと思う。違うだろうか?