2018年8月19日日曜日

ナンカイキクラゲ

  以前、菌学会大会に参加された方から、国内でキクラゲ Auricularia auricula-judae とアラゲキクラゲAuricularia polytricha と思われていたものが、実は本当のキクラゲとアラゲキクラゲではなかったという報告があったと聞き、そのことは頭の片隅にあった。

 今年、北海道からのサンプルがないので、見つけたら送って欲しいとN氏より連絡があり、6月にアラゲキクラゲのサンプルを送付したところ,それはアラゲキクラゲではなく、
ナンカイキクラゲAuricularia corneaだったとの結果報告を頂いた。

下の写真は、これまでアラゲキクラゲと思っていた。
  近くの防風林の様子を見に行くと、数日雨が降り続いたせいか、またまたナンカイキクラゲがたくさん発生していた。このきのこ、アラゲキクラゲとどこが違うのだろうと思い、胞子の形態などわかる資料がないかなと検索して見ると、まさにそのことが書かれている論文をWEB上で見ることが出来た。
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjom/59/1/59_jjom.H30-02/_pdf/-char/ja

論文の記載に、
アラゲキクラゲ…担子器果背面は長さ600μm以上の毛(背毛)を密生する
ナンカイキクラゲ…背毛の長さは70-560μm;担子胞子は13.5-18.5×5.5-7μm
 とある。
 とりあえず、胞子をカバーガラスに取り、顕微鏡で覗いてみた。
背毛…600μmを超えるものは見られなかった。

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きょう、きのこ仲間と話し合う機会があり
「本当のアラゲキクラゲではない」ではなく
そもそもは、Auricularia corneaだったのに、Auricularia polytrichaという学名を持ってきて、最初に学名を掛け違えたのではないのかい?
と、そんな話になった。学名の掛け違えは、時折あることで、キクラゲやアラゲキクラゲも、たぶん、そうなんだろうな…と思った。