2019年7月13日土曜日

ウスツトマヤタケ?

 アセタケ属は苦手意識が強く、これまでまともに検鏡したこともなかった。でも、いつかはちゃんと見なくっちゃと気になっていた。7月2日に虻田方面へ行った時、アセタケ属だなぁと見掛けたものの横目で見て一旦通り過ぎた。しかし、やはり気になって引き返し持ち帰ることにした。家に帰って来てから写真を撮り、乾燥させた。

 このところ、しばらく雨が降らず、出かける気になれず、乾燥標本にしていたアセタケを出し、ヒダの一部をピンセットでつまみ顕微鏡で覗いてみた(2~3日前のこと)。
殆どの厚膜シスチジアに結晶が付いている。
 担子胞子は、計測可能なものだけコピペし1枚の画像にした。
サイズは、(7.8) 8.9-11.0 ( 12.6)×(4.9)5.2-5.9(6.4)μm.n=50 Q:1.4-2.2 (Ave.1.8)
面倒だけれども、線画を描くことにした。
胞子以外、各部位の計測はまだやっていない。
シスチジアに結晶があり、柄シスチジアは縁や側とほぼ同形。
スイスの菌類図鑑を見て、Inocybe maculipesかInocybe nitidiusculaあたりだろうと目星をつけていたけれど、柄シスチジアは縁や側と同じ結晶のあるシスチジアがあることから、どうやらInocybe nitidiuscula(ウスツトマヤタケ)の方かもしれない。縁シスチジアに飛びぬけてデカイのがあって(目測で100μmくらい)、ウスツトマヤタケとするには今一つ自信がない。違うかもしれないけどウスツトマヤタケかまたは類似種としておいて良いのかな?…と思う。


2019年7月6日土曜日

Conocybe sp

担子胞子…(8.4)10.4-12.9(13.2)×(5.7)6.4-7.4(7.8)μm n=50
担子器… 15.6-22.9×11.6-14.2μm n=23
縁シスチジア… 17.4-30×7.2-8.9μm  頭部2.9-4.3μm(Ave.3.6) n=31
傘は子実層状被、洋ナシ形やこん棒形の菌糸が並んでいる。
線画(画像差し替え7/8)



スイスの菌類図鑑をみて、やっぱり柄表皮を見なくちゃダメか…。ウッドチップにポコポコ出ていたので稀種ではないと思うのだけど、子実体の様子と検鏡結果から該当する種は見当たらず、Conocybeの専門図鑑はないので、ここまでかな…。きっと、そのうち(突然に)名前が分かる日が来るかもしれない。

追記
 外見は、キコガサタケ( C.apalaC. albipes、C.lactea)によく似ている。胞子サイズや縁シスチジアのサイズなども似ている。しかし、キコガサタケにクランプはないとされ、担子器の形状も違っているように思われる。

再追記
 柄表皮を覗いてみた。何やらシスチジアらしきものは団子状 になっていて、よく分からない。組織をばらし覗いてみたけれど、やはりよく分からない…。トックリ形ではないらしい。
 たぶん、もっともっと丁寧にばらさなくちゃ実態がつかめないんだろうな…。



2019年7月5日金曜日

トゲウラベニガサ(Pluteus magnus )

傘が開いたものでは、おそらくウラベニガサと区別がつかないのではないかと思う。
(私の場合、正真正銘のウラベニガサも分かっていないが…- -;)

線画を描いてみた。
担子胞子のサイズは、(5)5.3-6.3(7)×(3.6)4.2-4.8(5.2)μm n=50

この線画を描くために、実は何枚もの切片を検鏡し覗いた。最初、幼菌から(胞子が邪魔しないよう)シスチジアの検鏡写真を撮ろうとした。しかし、ヒダがピンク色になったものと形状が違い、あの幼菌とその成菌と思ったものは別種か?と一瞬思ってしまった。しかし何回か見ているうちに、胞子の出来ていない幼菌ではシスチジアも形成途中であることが分かった。
形成初期のシスチジアは、鉤状突起はおろかトゲもない。厚膜ではなくほぼ薄膜
 次第に厚膜になり、それから鉤状突起が次第に形成されてくる
 成熟してくると、鉤状突起やトゲも出来てくる
シスチジアも成長により形状が変わることは、当たり前のことなのかもしれないけれど、
最初から形成されているワケじゃない…と分り
担子菌類もちゃんと成菌で見なくちゃ いけないんだなぁ…と思わされた。

2019年7月3日水曜日

ウッドチップのきのこ

 ウッドチップというと、売っているような綺麗なチップを想像するけれど、Mの森のウッドチップは裁断が違うらしく、見た目はあまり綺麗ではない。しかし、かなり分厚く敷かれ、ここのウッドチップに出るきのこには驚かされている。
 ウッドチップの定番は、サケツバタケやフミヅキタケ、ツバナシフミヅキだろうか…。
サケツバタケはあちこちで群生し、すでに流れたものも多かったが、これからという幼菌もまだまだ見られた。フミヅキタケは公園などで散生状群生は何度も見て来たが、ここのフミヅキタケは株状というか多数束生している。たぶん栄養状態が200%くらい良いせいなのかもしれない。
サケツバタケ
サケツバタケの群生
束生するフミヅキタケ
しばらく、まとまった雨が降らなかったせいか乾燥し、傘はひび割れを起こしている。周りを見ると、あちこちに黒く古びた株の残骸が見られた。

 そんな中、あちこちにポツンポツンと発生しているきのこがあった。
コガサタケ属のきのこだろうということしか分からない。このきのこの写真を撮っていると「なんだ?」と思うものが目に入った。
何だろう?
ひっくり返して、ウラベニガサの仲間と分ったけれど…
ここではウラベニガサまで束生するのか?そんなことを思いながら、でも…この横皺の凹凸状…ウラベニガサの幼菌って、傘はこんなんだったかな…。少し歩くと、少し成長した株があった。
やっぱ、ただのウラベニガサか?
このウラベニガサ、何本かを持ち帰ることにした。また少し歩くとこれから出てくる幼菌もあった。
 ----------------- 
 帰宅して、コガサタケ属のきのことウラベニガサ属のきのこをブツ撮りし、どちらも検鏡用に1-2本残し乾燥機にかけた。ウラベニガサ属のヒダを一枚取り、顕微鏡でざっと覗いてみた。
どうやら、トゲウラベニガサらしい…たぶん。

コガサタケ属のきのこはこれまた、思わず「可愛い!」とその担子器の形をみて声を上げてしまった。
どちらも、ちゃんと記録作成できたらな…と思っている。

2019年7月2日火曜日

Typhula corallina

以前(2018年10月10日)、全く分からなかったきのこ。
きょうのこと、全然違うきのこを検索していて
「あれ?これは」と名前が分かった。
Typhula corallina
そっか、ガマノホタケ属だったんだ。

 https://svampe.databasen.org/taxon/21378

2019年6月25日火曜日

昨日のきのこ

 スイスの菌類図鑑を見て、柄やヒダの感じからたぶんキツムタケに近い種なのだろうと検鏡してみた。作成した画像は汚くなってしまったけれど…
キツムタケと大きく違うのは、縁には類球形、洋ナシ形などのシスチジアがあり、下膨れの円柱状シスチジアと混在している。側はシスチジアが少なく下膨れの円柱状シスチジアのみで写真でAとしたシスチジアは見られない。
 パッと見、下膨れの円柱状シスチジアは縁・側ともほぼ同形で、高さが大きいものでは60μmを超えると思われる。キツムタケの縁シスチジアはスイスの菌類図鑑によると22-38×4.5-6μmで、サイズも異なっているようだ。


2019年6月24日月曜日

何科のきのこだろう

 朽ちたシイタケの榾木から出ていたきのこ
傘は黄色く、見た感じロウ質っぽくツルッと平滑
モリノカレバタケの仲間のきのこかな…?
傘縁はペラペラに薄くヒダは淡黄褐色
帰宅したら、傘は吸水性のせいか淡皮色に 変わっていた。
何だろうとカバーガラスに胞子を取ると淡褐色
ん?????

えっイボイボ?
それに胞子の周りに、なんか…膜があるし…
胞子の表面の方にピントを合わせて撮ってみた
フウセンタケ科のきのこかな…でも、子実体の感じは全然違うし
KOH3%をカバーガラスの横から入れてみた。
色が濃くなった
別に胞子を取っていたカバーガラスを
今度はメルツァーでマウント
えっ?偽陽性?
それに、 このきのこ 胞子盤がある。
ベニタケ科以外で初めて見たような気がする
(下は胞子盤が見えるものと横向きになっているものをコピペしている)
こういう胞子の場合、計測はどーするんだろ。

ヒダの切片を覗くと
シスチジアがあるみたい
Gymnopilusあたりのきのこかな…? 
でも、Gymnopilusにこんな形状の胞子ってあるのかな…?
シスチジアは明日の作業にしてみようと思う。



2019年6月15日土曜日

コブミノカヤタケとヒイロイヌシメジ

 以前、コブミノカヤタケとヒイロイヌシメジは同種と解釈した。
しかし、その後、IndexFungorumを見て

Lepista gilva (Pers.) Roze=Paralepista gilva (Pers.) Raithelh
Lepista inversa (Scop.) Pat=Paralepista flaccida (Sowerby) Vizzini
 となっていて
 やはり別種なのかなぁ・・・と思い直した。
しかし、最近になって、もう一度確認してみようと
MycoBankに記載されているシノニム群をコピペしてみた。

やはり同種じゃないの?と思うのだけど……違うのだろうか。

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ヒイロイヌシメジ…Paralepista gilva (Pers.) Vizzini(日本産きのこ目録)
        …Lepista gilva (高橋郁夫著 北海道きのこ図鑑)
≡Lepista gilva (Pers.) Roze (?) [MB#438600]
≡Agaricus infundibuliformis Bull., Herbier de la France 6: t. 286 (1786) [MB#197663]
≡Agaricus obconicus J.F. Gmel., Systema Naturae 2 (2): 1409 (1792) [MB#497096]
≡Agaricus lobatus Sowerby, Coloured Figures of English Fungi 2: 79, t.186 (1799) [MB#183940]
≡Agaricus gilvus Pers., Synopsis methodica fungorum: 448 (1801) [MB#221716]
≡Agaricus suavis Pers., Traité sur les Champignons Comestibles: 209 (1818) [MB#147945]
≡Omphalia lobata (Fr.) Gray, A natural arrangement of British plants 1: 612 (1821) [MB#486488]
≡Agaricus fimbriatus var. lobatus Fr., Systema Mycologicum 1: 94 (1821) [MB#497835]
≡Omphalia gilva (Pers.) Gray, A natural arrangement of British plants 1: 612 (1821) [MB#486486]
≡Clitocybe gilva (Pers.) P. Kumm., Der Führer in die Pilzkunde: 124 (1871) [MB#242563]
≡Agaricus inversus var. lobatus (Sowerby) Cout., Bol. Soc. Brot.: 348 (1931) [MB#268093]
≡Clitocybe flaccida var. lobata (Fr.) Romagn. & Bon, Documents Mycologiques 17 (67): 11 (1987) [MB#456944]
≡Lepista flaccida var. lobata (Fr.) Romagn. & Bon, Documents Mycologiques 17 (67): 11 (1987) [MB#129618]
≡Lepista flaccida f. gilva (Pers.) Krieglst., Beiträge zur Kenntnis der Pilze Mitteleuropas 7: 71 (1991) [MB#354889]
≡Paralepista gilva (Pers.) Raithelh., Metrodiana 23 (3): 117 (1996) [MB#474840]
=Agaricus inversus Scop., Flora carniolica 2: 445, no 1534 (1772) [MB#191175]
=Agaricus infundibuliformis Schaeff., Fungorum qui in Bavaria et Palatinatu circa Ratisbonam nascuntur Icones 4: 49, t. 212 (1774) [MB#188281]
=Agaricus flaccidus Sowerby, Coloured Figures of English Fungi 2: 78, t. 185 (1799) [MB#457069]
=Agaricus splendens Pers., Synopsis methodica fungorum: 452 (1801) [MB#245313]
=Agaricus lentiginosus Fr., Epicrisis Systematis Mycologici: 69 (1838) [MB#457352]
=Clitocybe inversus (Scop.) Quél., Mémoires de la Société d'Émulation de Montbéliard 5: 235 (1872) [MB#257959]
=Clitocybe subinversa Murrill, Mycologia 5 (4): 212 (1913) [MB#164455]


コブミノカヤタケ… Paralepista inversa (Scop.) Raithelh.(日本産きのこ目録)
        …Lepista inversa (高橋郁夫著 北海道きのこ図鑑)
 


現在の学名 
Paralepista flaccida (Sowerby) Vizzini

Agaricus flaccidus Sowerby, Coloured Figures of English Fungi 2: 78, t. 185 (1799) [MB#457069]
≡Agaricus gilvus var. flaccidus (Sowerby) Pers., Synopsis methodica fungorum: 448 (1801) [MB#497870]
≡Clitocybe flaccida (Sowerby) P. Kumm., Der Führer in die Pilzkunde: 124 (1871) [MB#219630]
≡Omphalia flaccida (Sowerby) Quélet, Enchiridion Fungorum in Europa media et praesertim in Gallia Vigentium: 23 (1886) [MB#802653]
≡Lepista flaccida (Sowerby) Pat., Les Hyménomycètes d'Europe: 96 (1887) [MB#357467]
≡Paralepista flaccida var. flaccida (Sowerby) Vizzini: 262 (2012) [MB#587908]
=Agaricus inversus Scop., Flora carniolica 2: 445, no 1534 (1772) [MB#191175]
=Agaricus infundibuliformis Schaeff., Fungorum qui in Bavaria et Palatinatu circa Ratisbonam nascuntur Icones 4: 49, t. 212 (1774) [MB#188281]
=Agaricus infundibuliformis Bull., Herbier de la France 6: t. 286 (1786) [MB#197663]
=Agaricus splendens Pers., Synopsis methodica fungorum: 452 (1801) [MB#245313]
=Agaricus lentiginosus Fr., Epicrisis Systematis Mycologici: 69 (1838) [MB#457352]
=Clitocybe inversus (Scop.) Quél., Mémoires de la Société d'Émulation de Montbéliard 5: 235 (1872) [MB#257959]
=Clitocybe subinversa Murrill, Mycologia 5 (4): 212 (1913) [MB#164455]

2019年6月10日月曜日

今年はヒヨドリ対策が必要かも

昨日のこと、もう少しもう少しとイチゴが熟すのを待っていて、やっと今年の初収穫なるかとイチゴを見に行った。なんと、鳥にやられてしまった。たぶん時々サクラの実を食べに来ていたあのヒヨドリの仕業。ヒヨドリも桜の木にとまりながらイチゴの熟すのをジーっと見ていたに違いない…。ヒヨドリからイチゴを守るには防鳥ネットが必要だろうか…。これでどうだろうかと、流し台の三角コーナー用の水切りネットをイチゴに被せてピンチで留めた。

 でも…今年もいっぱい実をつけたブルーベリーも心配。今年はヒヨドリ対策が必要かもしれない。近いうちにホームセンターへ行ってこようと思う。

2019年6月8日土曜日

ぐちゃぐちゃ

どう考えるべきなのだろう…。

Y氏から、Neoboletus pseudosulphureus という和名のないキノコ写真が送られてきた。
その属名で躓き、先に進めない。

 Neoboletusの基準種はオオウラベニイロガワリNeoboletus luridiformis。
本来、オオウラベニイロガワリが転属していなければ、Neoboletusはオオウラベニイロガワリ属で良かったはずだ。
しかし、オオウラベニイロガワリは転属し、現在の学名はSutorius luridiformis。
 Sutoriusの基準種はウラグロニガイグチSutorius eximiusなので、オオウラベニイロガワリはウラグロニガイグチ属に所属している。

たぶん、 Neoboletusはオオウラベニイロガワリとは別の種が基準種になると思うのだけど、MycoBankを見ると Neoboletusの基準種はNeoboletus luridiformis(オオウラベニイロガワリ)のまま。
 他属の種がその属の基準種だなんてことは無いと思うので、このあたりもチョットぐちゃぐちゃじゃない?って気がしないでもない。

そもそも、属名をなんで和名呼びにしなければならないのか
属によっては、基準種が国内からは見つかっていないので基準種とは別種の和名を持ってきて属和名にしている例がいくつもある。属和名の方が覚えやすいという点はあるけれど、果たしてそれで良いんだろうか・・・。
 何だか…私の 頭もぐちゃぐちゃになってきた。





2019年6月7日金曜日

センボンアシナガタケ?

昨年10月、観察会へ行く途中でみつけたきのこ。


スケールバーは3㎝
センボンクヌギタケと何だか違うよね、とその日はそんな話で終わり、そのままになっていた。

 ここ数日、日本きのこ産目録を見ながら、新しい学名に変わっていないか確認しながら約1700種の学名検索データファイルを作っていた。その中で「へぇ、こんな名前のきのこがあるんだ」と見知らぬ和名がいくつもあり、その中にセンボンアシナガタケなる和名があった。もしかしたら、昨年見たあのきのこ(上の写真)は…センボンアシナガタケではないだろうか、と思えて来た。
 学名はMycena inclinata (Fr.) Quél.

 学名が新しく変わっていないか調べたところで、また大きく変わってしまう可能性が高いのに学名検索データファイルなんか作ったって無意味かもしれない。しかし、そんな無意味かもしれない裏には、こんな名前のきのこがあったんだとそんな発見もある。知らないばかりに通り過ぎているきのこって、かなりあるんだろうなぁ…。

2019年6月1日土曜日

キシメジとシモコシ

 キシメジは広葉樹、シモコシは針葉樹、そんな感覚で覚えていた.
しかし、キシメジの学名→Tricholoma flavovirens (Pers.) S. Lundellだったが
現在の学名はTricholoma equestre (L.) P. Kumm.となっている。
シモコシの学名はTricholoma equestre (L.) P. Kumm.なので、キシメジとシモコシは同種とされたようだ。

2019年5月28日火曜日

ヒロヒダタケモドキについて②

 4月2日に、ヒロヒダタケモドキについてのメモ書きをしたが、更にメモ。

ヒロヒダタケモドキ(ヒロヒダタケダマシ)の学名は
 Clitocybula atroalba (Murrill) Singer
この学名はIndexFungorumに登録されていない。どういうことかとMycoBankを見てみた。すると、1952年に報告されたものはInvalid(無効)とあり、1962年に(再?)報告されたものもOrthographic variantとなっている。Orthographic variantって何だ?と思い検索して見ると「綴りの異形」という意味があるらしい。綴りの異形って、何のことなのか私の頭では分からないけれど、legitimate(正当な)と表記されていないので、それも無効ということなのだろうか?



2019年5月26日日曜日

コウタケ

 以前、コウタケの学名が良く分からず、その後、「青森県産のきのこ図鑑」が発刊され
コウタケ=Sarcodon aspratus
シシタケ=Sarcodon imbricatus
で決着したと思っていた。


 しかし、つい最近著者名は誰だっただろうかと「Sarcodon aspratus」をIndexFungorumやMycoBankでサーチして見るとSarcodon aspratusを入力して出てくるのは、Sarcodon imbricatus 。どういうことだろうか…。
  S. aspratusはS. imbricatusであるということ?
ではシシタケの学名は何?

IndexFungorumで、[Sarcodon aspratus (Berk.) S. Ito]は、S. imbricatusのシノニムになっている。コウタケとシシタケは同種ということなのだろうか?



----------------追記5/27------------
先日、シシタケモドキとナメシシタケについて
シシタケモドキ=Sarcodon laevigatus
ナメシシタケ= Sarcodon leucopus
と書いたけれど、その後のメモ

IndexFungorumでは
(正確な解釈は出来ないけれど)これまで Sarcodon laevigatus とされたものは
 Sarcodon leucopusであり
 Sarcodon laevigatusとして報告された種の現在の学名はS. imbricatus。


たぶん、
これまで日本で(少なくとも北海道では)シシタケモドキと思われてきたものは、S. leucopus(ナメシシタケ)であり、 学名的にS. laevigatusはS. imbricatusのシノニム、ということなんだと思う。

では、S. leucopusの和名はナメシシタケなのかシシタケモドキなのか
日本菌類集覧を見ると
ナメシシタケは、信州のきのこ(1995)で、S. leucopusに小山昇平氏が付けたらしい。
シシタケモドキは、今井三子博士がS. laevigatusに付けたようだ(日本菌類誌1955)。
シシタケモドキの和名は古くからあり、広く知れ渡っているからシシタケモドキ が妥当とする線と、本来の学名につけていたナメシシタケを使うべきという線があり
どちらを使うべきなのだろう?

5/29 記
 「信州のきのこ」(1994)を入手することが出来た。 小山氏はナメシシタケ(仮称)として使われたようで、シシタケモドキとするのが妥当なような気がする…。

キタキツネノロウソク


 学名を調べていると、時々どうしたものかな?と壁に突き当たることがある。
キタキツネノロウソクという和名のあるこのきのこは、キツネノロウソクより小型で、柄部分の小室は殆ど外側に開孔するらしい。日本菌類誌を見てみると学名はMutinus caninus f. septentrionaris 。しかしMycoBankを見てみるとvarietyやformaにf. septentrionaris は載っていない。日本産菌類集覧を見てみると、[nom inval.]とある。たぶん、その学名は無効名という意味だと思う。
 北海道キノコの会のHPのキノコ写真掲載でページを作成しながら、無効の学名を掲載するのも何だか変…。 広義のキツネノロウソク?…。どうもスッキリしない。

2019年5月10日金曜日

珪藻美術館②

 発売日から、10日が過ぎAmazonでは2度目の在庫なしとなった。やはり、良い本は売れるのだ。Amazonでは1度目の在庫なしから再入荷し復活したが冊数制限が掛かり、お1人様2冊まで、それも尽きてしまったようだ。私は、Amazonから2冊と書店に出向き数冊購入し、娘や孫、お友達の子供に配布した。
 私が一時珪藻にハマっていたこともあって、娘は珪藻という言葉は知っていたが色々な形が豊富であることまで知らなかったようだ(娘よ、私のHPを見ていなかったのか?)。

 閉鎖したHPに掲載していたフォト

「あの星形のも珪藻なの?」
「そ、ぜ~んぶ珪藻なんだよ」
「ええぇっ、全部珪藻なの?ガラスも使っているんだと思った」
人間があの微細構造のある精巧なミクロの星形を作れるワケないだろ…そうだよ、珪藻って凄いんだから…。
 「でも、すごいね、まつ毛とかも使ってるなんて」
「そうだよね、普通は使わないよね」
娘とそんな会話をしていた。
本日の画像を最初から読んでいる人なら 、まつ毛や眉毛が珪藻を拾うのに使われていることはすでに分かっていることだけどね…。

使い勝手の良いものを、究極なまでに探し求め自分で作ってしまう、そういや…かなり前にご本人に「諦めることを知らない人」と言ったことがあるけど、やはりそんな人だからここまでのものを作り上げることが出来たんだろうね。そして、これで良しじゃなくて更に追い求めていくんだろうな…たぶん。

2019年4月27日土曜日

ナメシシタケとシシタケモドキ



 かつて、コウタケと同じ匂いのするこのきのこ(上の写真)を見つけた時、一体なんだろうと分からなかった。スイスのきのこ図鑑を見て、ああこれだと思ったのがSarcodon leucopus 。
S. leucopus にはナメシシタケという和名があって、上の写真のきのこはこれまでずっとナメシシタケと思ってきた。S. leucopusで検索して見ると、
The Global Fungal Red Listというサイトがあって、たぶんどこかの機関サイトだと思うのだけど http://iucn.ekoo.se/iucn/species_view/323087/
には、絶滅危惧種Ⅰ類あるいは準絶滅危惧種に指定している国もあるようだ。日本ではナメシシタケが掲載されている図鑑が無く、殆どの人がナメシシタケを知らないんじゃないか…と思う。

 ところが数年前から、スライド会などでこれと同じきのこを見せられる機会があり、私が「ナメシシタケ」というと「シシタケモドキだよ」という声があった。
シシタケモドキはSarcodon laevigatus で(参照画像は下のサイトから…)
http://www.mykoweb.com/CAF/species/Sarcodon_laevigatus.html
シシタケモドキは北海道のきのこ図鑑にも掲載されていて 、こちらの名前は結構知られているような気もする。
「ナメシシタケ」と「シシタケモドキ」って、どう違うのだろう
見た目は殆ど区別がつかないようにも見えるのだけど…

 「ナメシシタケ」か「シシタケモドキ」か
この写真を見るたびいつも気になっている。

追記メモ
5月26日付覧 「コウタケ」の追記5/27を参照。

2019年4月25日木曜日

珪藻美術館

 知る人ぞ知る「たくさんのふしぎ」という小学生向けの福音館書店の月刊誌がある。
名目は小学生向け ではあるけれど、大人も十分に楽しめる科学雑誌で私も大好きな刊行誌の一つ。5月1日に発売予定の6月号は発売予定日前にしてAmazonでは在庫なし
 たぶん、福音館書店では今年発売予定のラインナップが出されていて、すでに知っている人たちからの予約が殺到したのかもしれない。( 5月1に受付復活、ただし注文冊数制限あり)。
 詳しくはこちらから

 この6月号は、奥修さんの「珪藻美術館 ちいさな・ちいさな・ガラスの世界」
この美しいアートがどうやって作られているのか解説、そのアートの紹介
とても素敵な本に仕上がっていて、「福音館書店さん、ホントに770円で良いの?」と
思ってしまう。中のページを写真で紹介できないのがとても残念だけれど、大人が見ても本当に素敵な世界がこの本には詰まっています。
 「ぜひ、手に取ってご覧あれ」の1冊です!!




2019年4月22日月曜日

ビスケットタケ

 青森県産きのこ図鑑を見ていて、何気にビスケットタケという和名に目が留まった。こんな和名のきのこもあるんだなぁと…。硬いきのこの仲間には、ラッコタケだのカワウソタケだのウサギタケだの動物の名前が頻繁に使われるけれど、「ビスケット」とは何とも面白い和名だと思った。そして、その種がニカワオシロイタケ属とあり、「え?」「もしや」と昨年撮っていた画像を見直した。
 もう10年以上も前のこと、ニカワオシロイタケなる種を採取したことがあって、子実体がポロッポロッと手で割ることが出来、硬質菌特有の質感ではなく、どことなくロウ質が混じったような質感で印象に残っている。昨年、下のきのこを見つけた時、ニカワオシロイタケのような質感だったけれど、何だろうと分からなかった。

昨年の画像

青森県産きのこ図鑑を見ていて、そっか~ビスケットタケだったんだと分かった。
たぶん、ビスケットのように手で割れることから付いた和名なんだろうな。

2019年4月15日月曜日

ヒメスギタケ

これは、スギタケと思っている画像

 で、これがヒメスギタケと思っている画像
 スギタケの学名は、Pholiota squarrosa (Weigel:Fr.) P. Kumm.
ヒメスギタケの学名は2種あって
今井先生が言うところのヒメスギタケは Phaeomarasmius erinaceellus (Peck) Singer
川村博士が言うところのヒメスギタケはPholiota squarrosa (Batsch) P. Kumm.
 (川村博士はスギタケの変異種としてvar. verruculosa としている。IndexFungorumでは品種とか変異種は全てシノニム扱い、一つの種にまとめている)

最初、
日本産きのこ目録を見ていて
スギタケ= Pholiota squarrosa (Weigel:Fr.) P. Kumm.
ヒメスギタケ=Pholiota squarrosa (Batsch) P. Kumm.とされていて、あまりにも違う外観に同じ学名?と首を傾げたけれど
川村図鑑のヒメスギタケの文と図を見て、私がヒメスギタケと思ってきたもの(上の写真)とは全く別種のようだ。

川村図鑑のヒメスギタケ
 私がヒメスギタケと思っていたのは、今井先生のPhaeomarasmius erinaceellusの方で、アセタケ科に所属している。IndexFungorumを見ると 現在は、Flammulaster erinaceellus (Peck) Watling。そっか…Pholiotaじゃなかったんだと分かった。

 でも、P. squarrosa var. verruculosa の和名と F. erinaceellusの和名が両方ともヒメスギタケとは紛らわしいよね。
  

2019年4月6日土曜日

Lepiota atrodisca



このきのこは、15・6年前にサッパリ分からなかったけれど何となく気になり写真に撮っていた。最近になって、もしかしたらLepiota atrodiscaではないだろうか、と思ったりしている(全く違うかもしれない)。上の写真の種とたぶん近縁種じゃないかなと思っているのが下の種。
(ウゥ~、ハエがジャマッ!…T T)



 Lepiota atrodiscaって、国内からの報告は?と思い、日本産きのこ目録を見た。学名欄のフィルター検索にLepiotaを入力してみた。Lepiota atrodiscaは無かったけれど、えっ?という種名を見つけた。
 シコンヒメカラカサタケ Lepiota atrovinosa S. Imai ってどんなきのこだろう…?
残念ながら原色新日本菌類図鑑には節の分類表のところに 所属不明でその名があるだけだった。日本菌類誌も疑問種のところにその学名が出てくるけれど、どんなきのこなのか記載がない。標本もないのだから諦めりゃ良いのに、 下の中心部が紫色種はもう一度出会いたいきのこの一つで、ヨウテイカラカサタケとヒッソリコッソリ仮称をつけ、時々思い出していた。

  平野部の雪は解けたけれど、積み上げられたところにはまだたくさんの雪が残っている(私の住む辺りでは)。きのこ解禁まで里山はまだまだ、たぶん5月に入らなければ無理かな…。今年はどんなきのこ達に出会えるだろう。