2019年3月26日火曜日

ワタカラカサタケの学名

 いつから、ワタカラカサタケの学名がLepiota magnispora Murrillになったのだろうか。
 ワタカラカサタケの和名は、今井博士が1938年に日本新産報告した折、命名している。しかし、日本産菌類集覧2010p497に【誤適用】として、[non (Bull.:Fr.) Kumm.] sensu Imai, J. Fac.Agaric. Hokkaido Imp.Univ.43:36, 1938. (菌誌2(5)p176、1959-"Quél."; 原色新図鑑Ⅰ:156,1987.と書かれている。今井博士が北大農学部紀要で報告したものは、(Bull.:Fr) Kumm.ではなくQuél.の言うところのもの、それを日本菌類誌や原色日本新菌類図鑑は誤って適用しているということだろう。確かに、北大農学部紀要(43巻2号)を見ると号数が違い(持っていないため)本文記載を見ることは出来ないけれど、索引にはLepiota clypeolaria (Bull. ex Fr.)Quél.となっている。ところが(Bull. ex Fr.)Quél.は、どこを探してもないため、今井博士の日本新産種報告は無効ということなのだろうか?

 「本郷次雄教授論文選集」1989p51にLepiota clypeolaria (Fr.) Kummer f. umbrinosquamosa Hongo コゲチャワタカラカサタケ(新品種)。かさの表皮(りん片)がこげちゃ色を呈し,また胞子がやや長径な点で母種と異なる。産地:京都大学植物園。と記載がある(滋賀大学紀要 Vol.20 1970)。
 そのLepiota clypeolaria (Fr.) Kummer f. umbrinosquamosa Hongo は、Lepiota magnispora Murrillのシノニムとされている。コゲチャワタカラカサタケの学名はLepiota magnispora Murrillであることは明らか。

 1938年報告のワタカラカサタケが無効であるなら、Lepiota clypeolaria (Bull.:Fr.) Kumm.として、どなたかにあらたに新産種報告して欲しいと願うのは、無理なことなのだろうか…と思う。

関連記事
2012年6月9日
http://kinoko-memo.blogspot.com/2012/06/ 

0 件のコメント:

コメントを投稿