2019年12月26日木曜日

フウセンタケというきのこ

 現在、フウセンタケという名のきのこはない。しかし川村図鑑にはフウセンタケというきのこが載っている。川村はフウセンタケにCortinarius purpurascensの学名を当てている。C. purpurascensの和名は現在カワムラフウセンタケとなっている
 どういうことだろうか?
 フウセンタケ 図517
 原色日本菌類図鑑(1957)を見ると注記ではあるがフウセンタケC. purpurascensとなっている(p71)。日本菌類誌(1959)でもフウセンタケは載っている。おそらく、川村自身がフウセンタケからカワムラフウセンタケに変えたのではなく、原色日本新菌類図鑑(1987) でフウセンタケからカワムラフウセンタケに変わってしまったのだと思われる。
 どんな理由からなのだろうか ?
それなりの理由があってのことだと思うのだけど
たとえば、別な人がそれ以前に、別なきのこにフウセンタケという和名を与えていたとか? …それなら、ふぅ~んと納得できるんだけど
フウセンタケ科フウセンタケ属を代表するような和名はこのきのこにふさわしくないので変えたなんてことは…ないよね。

でも、フウセンタケ科フウセンタケ属というのは、元を探ると川村がつけたフウセンタケから来ているんだよね…たぶん。

 -------------------------------追記12月26日--------------------
名前が変わった理由を Kさんから教えていただいた。
Kさん、いつもありがとうございます!
下記文章は、1966年の 日本菌学会報にきのこ分類学雑感が掲載され、追記として掲載されている文章。下記文章文字一部を修正。

Vol , 1I No. 2, 3 日本菌学会会報
きのこ分類学雑感
本郷次雄
Tsuguo HONGO*: Observations on taxonomy 01' mushrooms
Dec. 1, 1966

P.373

 なお蛇足であろうが「フウセンタケ」について一言 述べておく。Cortinariusの規準種はムラサキフウセンタケ C. violaceus である。この属は Myxacium ,Phlegmacium ,Sericeocyb 及び Cortinarius (Inoloma) , Dermocybe , Telamonia などの亜属に分けられているが,またこれらを属に持格させている学者もいる。ムラサキ フウセンタケは Cortinarius 亜属に属しているから, もしこの亜属が属に昇格となれば「ムラサキフウセンタケ属」という和名を用いなければならなくなる。そ して従来Cortinariusに対して与えられていた「フウセンタケ属」という親しい和名は消えてしまうか,ある いはフウセンタケの属する Phlegmacium に対して与えられねばならなくなるのである。このような和名の混乱を防ぐためには, Cortinarius (Phlegmacium) purpurascens の和名「フウセンタケ」に命名者名を加えて, 伊藤博士提案の「カワムラフウセンタケ」とでもしたら いかがであろうか。そうすれば,亜属が属に昇格して も,Cortinariusの和名はあくまでもフウセンタケ属で通してよいであろう。なお Phlegmacium_ の和名は「力ワムラフウセンタケ」でもよかろうが,規準種 Ph. saginum からとるとすれば,オオカシワギタケ属としたらよいであろう。

この時から、フウセンタケは「カワムラフウセンタケ」と名前が変わった。私は名前を変えたということに異論はない。返ってC. purpurascensはフウセンタケの基準種ではないので、その方が好都合のように思える。
 しかし、この文章は どこかおかしい。

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